[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT)
元記事公開日:
2025/06/02
抄訳記事公開日:
2025/07/01

英政府、2万人規模の実証試験で生成AIによる公務効率化効果を検証:年間最大2週間分の時間短縮を確認

Landmark government trial shows AI could save civil servants nearly 2 weeks a year

本文:

(2025年6月2日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)、Peter Kyle大臣の標記発表の概要は以下のとおり)

英国政府が実施した大規模な実証試験により、生成AIの導入が公務員の業務効率を飛躍的に向上させ、生産性改善に資する強力な手段となる可能性が明らかとなった。

本実証試験は、2万人を超える公務員を対象に、Microsoft 365 Copilotなどの最新の生成AIを3か月間にわたり提供し、文書作成、会議の要約、記録の更新、報告書の作成などの定型業務に活用させたものである。その結果、参加者は1日平均26分の作業時間を削減し、年間に換算すると約2週間分に相当した。これは全体として、毎年1,130人分の人材をより付加価値の高い業務に再配置可能とする効果をもたらし、AI技術が公共サービスの生産性を抜本的に向上させる潜在力を示している。

具体的には、AIの活用は、専門用語の過度な使用の回避やコンサルテーション(意見募集)の効率化、就労支援を担うワークコーチによる求職者への助言の迅速化などに役立てられており、AI技術は政府の行政改革構想「変化に向けた計画(Plan for Change)」を支える重要な推進力となっている。

こうした成果は、行政業務全体の最大41%がAIによる支援を受け得るとするアラン・チューリング研究所による包括的な調査とも一致しており、教育現場における授業準備や公務員のメール対応など、日常的な負担の大幅な軽減が見込まれる。これらの取組はすべて、英国政府が掲げる「スリムで近代的な行政機構の構築」を目指す包括的戦略の一環として位置づけられており、その最終目標は、AIやデジタル技術の活用により、総額4兆5千億ポンドに及ぶ歳出の削減を実現することにある。

[DW編集局]