[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/06/06
抄訳記事公開日:
2025/07/14

EU初の「核融合戦略」に向けてエビデンス提供の呼びかけを開始

Commission launches Call for Evidence to support first-ever EU-wide Fusion Strategy

本文:

(2025年6月6日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は2025年6月6日、EU初の「核融合戦略(Fusion Strategy)」の策定に向けてフィードバックや意見を収集するため、4週間の「エビデンス提供の呼びかけ(Call for evidence)」を開始した。本戦略は2025年末の公表を予定しており、EUを核融合開発の世界最前線に位置付け、EU域内における核融合エネルギーの商業化を加速するための重要なステップとなる。

この戦略は、「クリーン産業ディール」および「手頃なエネルギーに向けた行動計画」を具現化するものであり、欧州の競争力に関するドラギ報告書の勧告も踏まえている。

EUはこれまで、ITERプロジェクトにおける中心的な役割や、ユーラトム研究・訓練プログラムを通じた長年の取り組みにより、核融合分野において世界をリードしてきた。しかし、国際的な競争は激化しており、米国、英国、中国、日本などではすでに国家戦略が策定され、民間投資の拡大も急速に進んでいる。

核融合分野におけるEUのリーダーシップと競争力を維持するために、本戦略には以下の主要な取り組みが盛り込まれる。

・ITERプロジェクトおよび核融合研究開発における欧州の主導的役割を活用するための行動計画の策定
・試験的な核融合発電所実現に向けた明確なロードマップの提示
・グローバル競争に耐え得る産業エコシステムの創出
・官民パートナーシップおよび新たな資金支援スキームを通じた民間セクター(スタートアップ企業を含む)の参画促進
・スキル不足に対処するための人材戦略の整備
・欧州における核融合サプライチェーンの動員と強化
・核融合施設に関する有効な規制枠組みの構築
・国際協力の強化
・EUレベルでの効果的なガバナンスと意思決定プロセスの確立

[DW編集局]