[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
- 元記事公開日:
- 2014/12/17
- 抄訳記事公開日:
- 2014/12/19
-
英国政府、科学技術・イノベーションに対する60億ポンドの包括的支援を発表
Government unveils £6 billion package for UK science and innovation
- 本文:
-
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の2014年12月17日付標記報道発表の概要は以下のとおり。
政府は12月17日、英国の科学技術・イノベーションがグローバル・エクセレンスの最前線に立ち続けるべく、野心的な新規計画を発表した。この計画とは同日、グレッグ・クラーク(Greg Clark)BIS/大学・科学担当大臣が王立協会において正式に発表した「科学技術・イノベーション戦略(https://www.gov.uk/government/publications/our-plan-for-growth-science-and-innovation)」である。右戦略は、英国のサイエンス及び企業の強みを足掛かりに、2020-2021年(注: 英国の会計年度は日本と同様、4月1日から翌年3月31日)までの投資及び支援の対象となる政府の優先事項のほか、今後数年間の科学技術・イノベーション政策を支える重要原則を定めている。
本戦略において特に重要とされる事項は以下のとおり。
・大学及び研究所における研究実験室のエクセレンスを維持する目的で、個別の資本投資プロジェクトや制度資本の支援に30億ポンド。
・自由電子レーザー(XFEL)の国際プロジェクトに対する3,000万ポンドの投資、一般大衆の科学への広い参画を奨励する「科学インスパイア・キャピタル・ファンド」の創設に2,000万ポンドなど、科学の「グランド・チャレンジ」を支援する大型資本投資プロジェクト向けに29億ポンド。「極地調査船」や「次世代電波望遠鏡(Square Kilometre Array)」など事前取り組みがなされているプロジェクトも追加投資の対象に。
・マンチェスターに本拠を置く「サー・ヘンリー・ロイス先進材料研究所」に最大で2億3,500万ポンド。
・欧州の次なる火星探査機ミッションで先導的役割を果たすべく、欧州宇宙機関(ESA)プログラム向けに9,500万ポンド。
・政府が支援する「高価値製造カタパルト」に6,100万ポンドの投資。また、イノベーションを推進し次世代技術製品を開発する「国立製剤センター(National Formulation Centre)」を同カタパルト内に新設するため、2800万ポンドの追加投資。
・修士課程大学院生に対する最大で1万ポンドの所得連動型貸付の新規提供。本戦略は、今後のあらゆる科学技術研究開発に関する以下の5項目の重要原則に支えられている。
・エクセレンス(excellence)の達成が重要。
・新たな好機の獲得に当たっては迅速に対応し、機敏性(agility)を示すことが不可欠。
・各分野、各セクター、各機関、各国民、各国家の間で、よりハイレベルの協力(collaboration)を促進。
・人や組織が接近することでお互いに恩恵を受ける場(place)の重要性を認識する必要性。
・開示性(openness)や世界との関わり合いに対する現代的要請。上記原則に基づいて、本戦略では、政府の優先領域、科学技術・イノベーション人材の育成方法、インフラ投資が行われる場所、研究を支援しイノベーションを触発する方法、投資対象の国際プロジェクト等に焦点を当てている。
なお、本戦略には、カタパルト・ネットワークへの政府の継続投資の取り組みも含まれている。
[DW編集局]