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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ工学アカデミー(acatech)
- 元記事公開日:
- 2025/06/26
- 抄訳記事公開日:
- 2025/07/29
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acatech、国民の科学技術観に関する調査結果を公表:AI・防衛研究・技術倫理への意識を分析
Die Deutschen unterstützen neue Technologien und entdecken den Nutzen von KI
- 本文:
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(2025年6月26日付、ドイツ工学アカデミー(acatech)の標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツ国民は新技術に対して前向きな姿勢を示している。acatechが実施した調査(TechnikRadar 2025)によると、人工知能を活用する回答者の65%がその可能性に魅力を感じている。大学における防衛研究については50%が支持を表明しており、62%は技術革新が公益に資する限り容認できると考えている。政策決定への関与を求める声は45%に上る一方、技術がもたらす影響について政府から十分な情報提供を受けていると感じている人はわずか9%にとどまる。
大学における国防目的の防衛研究については、全体の半数が肯定的であるのに対し、17%が明確に反対している。政党支持別に見ると、自由民主党(FDP)支持層の68%、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)支持層の67%、社会民主党(SPD)支持層の53%、同盟90/緑の党の支持層の51%が賛成している一方、左翼党では27%、サラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)では33%、ドイツのための選択肢(AfD)では41%にとどまる。人工知能(AI)を用いて自律型兵器システムを制御・運用することに対し、政党支持を問わず、全体の60%が反対している。
acatechのヴェルナー会長は、デュアルユース技術をめぐる議論について「民生と防衛の研究を厳密に区別することは、しばしば現実的ではなく、研究とイノベーションは平和目的に役立ち、社会の保全に寄与すべきだという考えを、多くのドイツ国民が共有している。」と述べている。
また、技術がもたらす影響に関する情報提供について不十分と感じている人は依然多く、政府から十分な説明を受けていると考える人は9%にとどまる。全体の48%は、社会的議論の対象となっている技術に関する判断において、科学者や専門家の知見を重視している。
人工知能に対する認識は両義的である。社会的有用性とリスクの双方が認識されており、医療診断への応用については66%が有用とし、34%がリスクを懸念している。自律型AIエージェントに関しては、有用性を認める人が38%、リスクを懸念する人が34%で拮抗している。生成AIによるコンテンツ制作に関しても、52%が有用、44%がリスクありと評価している。90%は、AIが生成したコンテンツにはその旨明示されるべきだと考えている。
将来の社会的課題に関しては、91%が国内の治安と公共インフラの整備を最優先事項と見なしており、これまで最上位にあった雇用確保は90%で第3位となった。気候変動の抑制は68%で最下位に後退した。
本調査は、ドイツ国民が技術に対して敵対的であるとの一般的見解を否定している。国民は技術をその特性や応用可能性に応じて個別に評価しており、例えば再生可能エネルギーについては70%が有用と考え、12%がリスクを懸念している。監視技術については54%が有用、41%がリスクがあると見ており、遺伝子組換え作物については23%が有用、57%がリスクありと評価している。技術があらゆる問題を解決し得るという見方には64%が否定的である一方、技術が長期的に問題を増やすと考える人は15%にとどまる。
本調査は、カール・ツァイス財団の支援のもとacatechがドイツ全土を対象に実施しており、2017年以降、国民の技術イノベーションに対する意識を継続的に測定している。
[DW編集局]