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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 保健福祉省(HHS)
- 元記事公開日:
- 2025/07/10
- 抄訳記事公開日:
- 2025/08/08
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ARPA-H、脳機能再生と患者の自立を目指すFRONTプログラムが始動
ARPA-H Launches Program to Restore Brain Function and Return Patients to Independence
- 本文:
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(2025年7月10日付、保健福祉省(Department of Health and Human Services:HHS)の標記発表の概要は以下のとおり)
HHS傘下の医療高等研究計画局(ARPA-H)は本日、画期的な新皮質組織機能修復(Functional Repair of Neocortical Tissue:FRONT)プログラムを発表した。本プログラムは、最先端の神経発達原理と幹細胞技術を活用し、脳組織を再生して失われた機能を回復させることを目的としている。FRONTは、トランプ大統領およびケネディHHS長官が掲げる優先課題に則したものであり、イノベーション、公衆衛生、米国民の経済的福祉に対する強いコミットメントを示す取り組みである。
本プログラムは、以下を含む優先課題を支援する。
▽脳卒中、神経変性、外傷に起因する慢性的な大脳新皮質の損傷に苦しむ2,000万人超の米国成人に対し、画期的な治療法を提供する。
▽脳機能の回復を通じて、米国経済に年間8,000億ドルの節約効果をもたらし、重度の脳障害により現在は就労できない人々の課税所得回復を促す。
▽軍人に多い障害である外傷性脳損傷に対し、効果的な治療法の開発を優先課題とする。
▽身体・言語リハビリなどの高額かつ限定的な従来療法に代わり、本質的な脳機能の再生を目指すことで、患者の自立と家族・医療制度への負担軽減を図る。FRONTプログラムは5年間にわたり実施され、厳格な業績評価指標のもと、ヒト臨床試験に向けた準備が進められる。ARPA-Hは、革新的ソリューション・オープニング(Innovative Solutions Opening:ISO)制度に基づき、移植用組織の生成と機能的脳回復に向けた生着手法という2つの重点領域で提案を募集している。なお、FRONTでは、成人由来の脱分化幹細胞のみを使用すること、および倫理的配慮を重視する方針が示されている。
[DW編集局]