[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 下院(国民議会)
- 元記事公開日:
- 2025/09/08
- 抄訳記事公開日:
- 2025/09/09
-
下院、首相「不信任」を決議 予算審議に影響か
- 本文:
-
フランス下院(国民議会、総数573=空席などを除く=)は8日、バイルー首相の「不信任」を決議した。信任194票、不信任364票、棄権15票だった。憲法の規定にもとづき、バイルー首相はマクロン大統領に辞表を提出する。内閣の総辞職になるとみられ、例年秋に本格化する政府の2026年予算案審議に遅れが出るなどの影響が懸念される。
悪化する財政の立て直しに向け、バイルー首相は2026年に実質438億ユーロの歳出削減を目指す政府予算案の概要を7月に発表したが、野党などから激しい反発を招いていた。共和国憲法第49条によると、首相は下院に対して自らの信任の議決を求めることができ、バイルー首相はこの下院の信任を得て予算案審議に臨む構えだった。だが不信任とされたため、同第50条の規定にもとづき、首相は大統領宛てに辞表を出さなければならない。
◇
【解説】
フランスでは近年、政権が議会運営に行き詰まる事例が相次ぎ、2024年1月以降、首相が辞任するのはこれで4人目となった。特に同年7月の下院総選挙以降は政権与党と議会与党がねじれており、政府予算案や法案の審議はなおも難渋が続く可能性がある。
24年7月にアタル首相(当時)が辞意を表明したときは、後任の人選に約2か月を要したうえ、9月に後を継いだバルニエ首相(同)も、翌年の政府予算案の国会審議に行き詰まって3か月で辞任に追い込まれた。この混乱により、本来であれば12月末までに終えなければならない審議が越年し、25年2月まで時間を要した。
今回は首相の人選のみならず、予算案自体の再検討も不可避になるとみられる。もともと2026年は、研究開発投資への中長期的な増額を目指す複数年研究計画法を今後も続けるのか、あるいは縮小するのかの”分水嶺”になるとされている。国会審議の進捗ともあわせて、例年以上の注視が必要である。
(フランス担当フェロー・内田遼)
[DW編集局]