（2025年10月9日付、英国研究・イノベーション機構（UKRI）の標記発表の概要は以下のとおり）

人工知能（AI）が科学のあり方をどのように変革しているかを探究する、英国、米国、カナダの若手研究者を対象として、新たな国際フェローシップ・プログラムが開始された。総額400万ポンド規模の本事業は、科学・イノベーション・技術省（DSIT）とUKRIが共同運営する英国メタサイエンス・ユニットによって実施されるものである。

同ユニットは2025年10月9日、AIメタサイエンス・フェローシップ・プログラムの下で支援を受ける29名の若手研究者を発表した。

29名の内訳は以下のとおり。

・UKRI支援による、英国を拠点とする18名
・Alfred P. Sloan財団支援による、米国を拠点する6名
・社会科学・人文科学研究会議（SSHRC）支援による、カナダを拠点とする5名

本プログラムは、哲学、社会科学、AI研究の専門家による学際的研究を支援し、次の3点を目的とする。

・AIの導入拡大が研究の実践や手法にどのような変化をもたらしているかを明らかにすること
・AIの導入拡大が科学の将来の発展にどのような意味を持つかを解明すること
・AIが研究成果の妥当性・倫理性・信頼性に及ぼす潜在的リスクを抑制しつつ、その可能性を政府、資金提供機関、産業界が最大限に活用できるよう支援すること

また本プログラムは、一般的なAI倫理ではなく、AIが科学研究そのものに及ぼす具体的な影響に焦点を当てる。対象とする論点は以下の通り。

・AIが研究の創造性・多様性・生産性、さらには研究者のキャリア軌跡をいかに変えるか
・AIの利用が科学者の思考や理解の枠組みをどう変容させるか
・AIが研究構造やプロセス、政治経済にどのような転換をもたらすか

各フェローは、最長2年間の研究プロジェクトに対し最大25万ポンドの支援を受ける。

[DW編集局]