[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2025/10/29
抄訳記事公開日:
2025/12/12

ハイテク・アジェンダを支える枠組み整備をフラウンホーファー協会が提唱

Start der Hightech Agenda DeutschlandTransfer braucht Freiheit

本文:

(2025年10月29日付、フラウンホーファー協会(FhG)の標記発表の概要は以下のとおり)

フラウンホーファー協会(FhG)は、連邦政府によるハイテク・アジェンダの正式な始動を、明確な優先順位を備えたイノベーション政策として歓迎する。ドイツのイノベーション力を強化し、戦略的に重要な技術を迅速に応用へと移す本プログラムは、本日の開始をもって、切実に必要とされる迅速な実施が始まる。成功の鍵は、イノベーションに必要な自由の確保にある。

競争力、価値創出、経済の推進力、これらを備えたハイテク・アジェンダは、ドイツの将来の競争力の礎となる。「連邦政府が戦略的に重要な市場と対応するキーテクノロジーに注力することをFhGは歓迎する。研究と応用の界面に立つFhGの視点からは、利活用への移転を当初から考慮している点が特に肯定的に評価される。これにより、イノベーションと将来の成功に向けた確固たる基盤が形成された。」と、FhG会長のハンゼルカ教授(Prof. Holger Hanselka)は述べる。

これまでドイツのイノベーション基盤はジレンマに直面してきた。すなわち、科学的成果の質の高さに比して、期待される経済的価値の創出が伴わないことである。要因として、従来の構造的・法的枠組みが知識・技術移転を遅らせ、場合によっては阻害すらしてきた。必要なのは、現代的かつ効率的な移転に必要な自由と柔軟性を整える法的枠組みである。ハンゼルカ会長は、「連邦政府はその必要性と緊急性を認識し、連立協定でイノベーション自由法を提案している。これを速やかに推進すべきである。」と述べる。研究団体は既に次の改革案を提示している。

・小規模生産の容認:公益法を改正し、研究機関がプロトタイプやゼロシリーズだけでなく、小規模生産も実施できるようにすべきである。マイクロエレクトロニクスや製薬分野では初期生産段階の商業的供給者が乏しいうえ、製造工程が未確立のため不良率も高い。

・ソフトウェアのライセンス:研究成果の移転ではソフトウェアライセンスが重要である。産業界はプロトタイプの域を越えた実用的ソリューションを求めており、法的に安定したライセンスを可能とする規制の近代化が必要である。

・スピンオフ支援の容易化:公益法人は優遇禁止規定により自法人のスピンオフを支援できない。新規起業を阻害しないため、当該規定をEU補助金法のデミニミス規制に整合させるべきである。

・知識・技術移転の公益目的化:起業支援を、EU補助金法の範囲内で公益目的として認めるべきである。

・事業化チームのインセンティブ付与:事業化チームに対して、成果に応じた成功報酬への参加機会を新たに設けることで、発明およびイノベーション移転を一層促進することができる。

・移転の「ラストマイル」:研究機関の建物や施設は、定款に定められた目的のみ使用することが許されていた。助成条件において、スピンオフなど第三者による未利用の施設・設備の活用を明示的に認めれば、法的安定性を確保できる。

「我々は政治および経済界とともにハイテク・アジェンダを成功へ導く準備が整っている。今必要なのは、技術的イノベーションそのものだけでなく、これを最適に後押しする枠組みについても、実行に移す勇気である。」とハンゼルカ会長は述べる。

[DW編集局]