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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- フランス大学学長会(FU)
- 元記事公開日:
- 2025/11/28
- 抄訳記事公開日:
- 2026/01/13
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大学・大学病院・INSERM、医療研究拠点の政策強化に向け共同声明
- 本文:
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(2025年11月28日付、フランス大学学長会(FU)の標記発表の概要は、以下のとおり)
世界の科学研究におけるフランスの地位は、全体的に、また医療分野において後退している。その背景には、新興の科学大国(中国)の台頭やインド・韓国などの躍進といった外的要因に加え、EU・OECD諸国と比較した場合の研究投資の不足、さらに大学・グランゼコール・国立研究機関など多様な主体が関与する研究組織モデルの構造的複雑さがある。
医療研究は特に、大学、国立保健医学研究所(INSERM)、国立がん研究所(INCA)などの専門機関、国立科学研究センター(CNRS)等の国立研究機関、さらに大学病院(CHU)や一次医療機関を含む医療提供体制に依存するという特質を有する。
こうした状況を踏まえ、フランスでは2006年以降の大学再編、07年の「大学の自由と責任に関する法律(LRU法)」、09年発表の「未来投資プログラム(PIA)」、21年発表の「フランス2030」など、過去20年間にわたり主要な改革が実施されてきた。とりわけ23年以降の「プログラムセンター」の創設は、研究の戦略的運営と全国的な調整の必要に応えるものである。健康分野のプログラム機関はINSERMが主体となり、大学(医学・薬学・歯学部)およびCHUなどの主要パートナーと緊密に連携して運営されている。最近の報告書でも研究拠点政策の中核として大学が主導的に関係機関の共同イニシアチブを形成する必要性が指摘されている。
こうした状況を受け、フランス大学学長会に加盟する大学、医学・薬学・歯学部長会議、CHU会議、およびINSERMは、地域の特性を尊重しつつ、野心的で実効性の高い医療研究拠点政策を共同で構築する取り組みを開始した。
この取り組みは、研究・医療・教育・イノベーションの連関を強化し、大学病院の魅力と卓越性を高めることで、基礎・トランスレーショナル・臨床・公衆衛生研究の総体を向上させ、国際的な存在感を再び確立することを目的としている。
◇パートナー機関の共有する戦略的ビジョン
・大学や研究機関複合的に集まる拠点全体の能力を統合し、国際水準の研究・イノベーション政策を実施すること
・研究・教育・医療・イノベーションの不可欠な相乗効果を保証するエコシステムの構築
・大学病院および研究キャリアの魅力向上
・現在および将来の公衆衛生上の課題に適合する大学病院モデルの強化◇地域レベルでの相互の明確なコミットメント
・主導的役割を担う大学(医学・薬学・歯学部)を中心に、INSERM と CHU が緊密に連携する戦略的拠点政策の策定
・生物医学研究および健康イノベーションに関わる共同プロジェクトの推進
・国内外で認知される卓越研究拠点の形成
・患者、学生、学術界、産業界、所管当局に透明性を確保する明確なサイト戦略の提示
・共同監督の柔軟化、財政的貢献、学問の自由の尊重など、より明確で協調的な枠組みに基づく研究ユニットおよび研究基盤の支援
・データ・サンプルアクセス契約やデータ保護責任者(DPO)間合意、人事管理など、規制枠を超えた革新的協力スキームによる組織運営の簡素化 [DW編集局]