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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- マックスプランク協会(MPG)
- 元記事公開日:
- 2026/01/15
- 抄訳記事公開日:
- 2026/02/10
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2025年、マックスプランク発スタートアップが記録的成果―基礎研究から高付加価値創出へ
- 本文:
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(2026年1月15日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)
2025年はマックスプランク協会(MPG)発の起業にとって成功の年であった。高性能かつ信頼性の高い量子コンピューターの開発を目指すスタートアップ「プランク(planqc)」社はドイツ起業家賞を受賞し、「プロクシマ・フュージョン(Proxima Fusion)」社は核融合発電所開発のため既に2億ユーロを調達した。2025年にはMPG発の新規スタートアップ14社が活動を開始し、前年のほぼ倍の規模となった。
年初のこの報道は、ドイツ全体で前年に3,500社を超える新規起業が記録されるという好調な状況とあわせ、将来への楽観的見通しを広めた可能性がある。この期待の背景には、スタートアップが新たな製品や市場、そして雇用を創出する重要な経済の原動力であるという認識がある。
スタートアップは、既存企業にとっても競争を通じてトレンドを把握し刺激を与える存在である。これは科学界発の起業、特にMPG発の事例においても同様である。例えば、人工知能を活用して医薬品研究の大規模データを変換すること、革新的レーザー技術の開発、人工授精の成功率向上、農作物の収穫自動化などが挙げられる。MPGのクラーマー会長は、「私たちは世界的に影響力のあるアイデアを創出している。しかし、それをさらに発展させ、投資し、経済的利益を十分に享受するのは他者である。アイデアもスタートアップも存在するが、最終的に成功に至るには決意と資金が欠かせない」と述べている。
マックスプランク・イノベーション社のヒュルス(Christoph Hüls)社長は、欧州にはさらに多くのスタートアップが必要であると指摘する。「卓越した科学の成果から多くの価値を創出するには、経済全体で幅広い起業環境が不可欠である。世界の主要企業に対抗可能な欧州の資本市場が必要だ。初期段階の資金の約90%は欧州内で賄われるが、後期段階では資金の約半分が欧州外、特に米国からもたらされている。」と述べる。2019年以降、米国企業およびファンドは欧州のスピンオフから約240億ドルの価値を獲得している。欧州での価値創造と成長を維持するには、より良い制度設計が不可欠であり、政策面の対応が求められる。研究機関としてのMPGも、研究者が早期に企業家としてのスキルを習得できるプログラムへの投資を強化している。
以下に、代表的なMPG発のスタートアップを紹介する。
・Aplusia社 ― 生命科学・医薬品研究向けの人工知能
・MechSyn社 ― 高性能材料の開発
・Oraclase社 ― 自律型レーザーによる材料加工
・Ovo Labs社 ― 不妊治療を支援する新技術
・Polybot社 ― 人工知能による農業自動化
・QuantiLight ― 在宅で可能な医薬品モニタリング
・Soxogen Bio ― 幹細胞由来の臓器開発 [DW編集局]