[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2026/03/02
抄訳記事公開日:
2026/03/27

DARPA、リグニン由来化学品の製造を目指す「フリートウッド(Fleetwood)」プログラムを開始

Upgrading biomass waste into strategic materials

本文:

(2026年3月2日付、国防高等研究計画局(DARPA)による標記発表の概要は以下のとおり)

DARPAは本日、農業・林業における残渣など広く存在する国内バイオマス資源から重要化学品を生産する研究開発プログラム「フリートウッド(Fleetwood)」を開始したと発表した。廃棄されているバイオマスを戦略資源へ転換し、米国の国家安全保障およびサプライチェーンの強靱性の強化を目的とする。

世界では毎年、農業残渣や林業残渣を含むギガトン規模のバイオマスが廃棄されている。これらは植物の構造を形成する高エネルギー密度分子リグニンを豊富に含むが、処理が困難なため多くが燃焼されるか廃棄されている。現在、プラスチック、接着剤、複合材料などの重要材料の供給網は石油由来製品に依存しており、供給途絶のリスクに脆弱である。一方、バイオマスは経済性の確立が課題であり、その主因がリグニンの処理困難性である。

フリートウッド・プログラムは、リグニンを高付加価値化学品や材料へ変換する新規触媒および高度製造プロセスの開発を目指す。主な技術課題は次のとおりである。

・原料バイオマスからリグニンを効率的に取り出し分解する新たな触媒手法の開発
・処理したリグニンを特定の高付加価値製品へ変換する堅牢な新規触媒の創出

本プログラムは、還元的触媒分画法など近年の科学的進展を基盤とし、リグニンを有用な化学ビルディングブロックへ選択的に分解する技術の活用を図る。また、不純物を含む実際のバイオマス処理における触媒性能の劣化への対処も主要課題であり、多様な原料に対応可能な堅牢触媒の開発を進める。

フリートウッド・プログラムが成功すれば、広く存在する国内廃棄資源から高付加価値化学品を生産する新たなバイオ経済の基盤が形成され、海外資源への依存低減やサプライチェーンの強靱化に寄与するとしている。

[DW編集局]