[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2026/03/03
抄訳記事公開日:
2026/03/25

フラウンホーファー協会、AIチップ研究拠点FIZ Chip AIをハイルブロンに設立

KI-Chip-Design aus Heilbronn

本文:

(2026年3月3日付、フラウンホーファー協会(FhG)の標記発表の概要は以下のとおり)

半導体業界にとって人工知能(AI)は、より効率的な開発プロセスを支える手段としても、また開発の対象そのものとしても大きな意味を有する。フラウンホーファー協会(FhG)ハイルブロン研究・イノベーションセンター(HNFIZ)はそのため、ディーター・シュヴァルツ財団の支援を受け、AIチップ研究拠点「AIチップ研究・イノベーションセンター(FIZ Chip AI)」を新たに設ける。このセンターはイノベーションパークAI(IPAI)の関係者との緊密な協力の上に構築される。

AIの世界的なブームは、ソフトウェアとハードウェアの双方を含むイノベーション競争を引き起こした。ますます複雑になる課題に向けたAIの応用は、より高性能なAIチップの性能に依存している。この未来技術におけるドイツのイノベーション力をハイルブロンで強化するため、FhG応用固体物理学研究所(IAF)とFhG集積回路研究所(IIS)は2026年よりHNFIZの枠組みの中で「FIZ Chip AI」を立ち上げる。そこではAIのための、またAIを用いた革新的なチップ回路の開発が中心課題となる。

「AIは今後の価値創造の中核的推進力である。高性能のソフトウェアと革新的な応用に加え、最先端ハードウェアの開発は、ハイテク拠点としてのドイツにとって決定的に重要な戦略的意義を有する。ディーター・シュヴァルツ財団と共に、この需要に的確に応えていく。」とFhG会長のハンゼルカ(Holger Hanselka)教授は語る。

IAFの研究者は、新たなAIシステム向けの高性能半導体チップの開発に携わる一方、AIを使ってチップ設計プロセスを支援する新たな手法も開発する。回路設計プロセスは、AIを活用して多数の個別設計工程を自動化することで効率化される。生み出された設計のライセンス化を可能にするには、知的財産権保護のための賢明な戦略も必要となる。さらに、モビリティ、ロボティクス、航空宇宙などの安全性が重要な用途を守るため、設計の検証と認証に関する解決策も求められる。焦点となるのは、効率性、耐性、長寿命性に優れたCMOS(相補型金属酸化膜半導体)回路である。

FhG IISの課題は、AI学習向けソフトウェア・ツールチェーンと組み合わせた、アナログ/混合信号CMOS設計による新たな拡張可能で構成変更可能な神経模倣型プロセッサユニットの開発である。その中心となるのはスパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)だ。

FIZ Chip AIは、第9の研究・イノベーションセンター(FIZ)として、2019年以来ディーター・シュヴァルツ財団の支援を受けてきたハイルブロンにおけるFhGの活動を補完する。2025年の協力拡大によりまず8つのFIZが成立し、当初は労働経済・組織研究所(IAO)、システム・イノベーション研究所(ISI)、高度分析・情報システム研究所(IAIS)、生産技術・自動化研究所(IPA)、安全情報技術研究所(SIT)、空間・建築情報センター(IRB)の6研究所が、人工知能に関わる重要な将来課題の推進に知見を持ち寄った。今回これにIAFとIISが加わる。

ハイルブロンにおけるアプローチの中核は、企業、大学、公的機関の緊密な協力である。ここでの活発な連携により、研究成果の迅速な移転と事業化を可能にする他に例を見ない科学エコシステムが生まれる。

[DW編集局]