[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2026/02/23
抄訳記事公開日:
2026/03/26

体外受精の成功率向上を目指すOvo Labs社、マックスプランク・スタートアップ賞2026を受賞

Ovo Labs erhält Max-Planck-Gründungspreis des Stifterverbandes 2026

本文:

(2026年2月23日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)

マックスプランク協会(MPG)は、同協会発スタートアップ企業Ovo Labs社が2026年の「マックスプランク・スタートアップ賞」を受賞したと発表した。同賞は科学助成財団連盟(Stifterverband)とMPGが共同で授与する賞で、同協会の研究成果を基盤とする優れたスタートアップを顕彰することを目的としている。賞金は3万ユーロ、授賞式は2026年6月16日にフランクフルトで開催される予定である。

Ovo Labs社は、マックスプランク多分野自然科学研究所(Max-Planck Institute for Multidisciplinary Sciences)から生まれたスピンオフ企業で、2025年に設立された。同社はヒト卵子の質を改善する治療法の開発に取り組んでいる。開発中の有効成分EmbryoProtect 1、2、3は卵子の品質を維持・改善することを目的とするもので、女性がより長く妊孕性を維持できるようにする可能性があるほか、体外受精(IVF)の成功率を高めることも期待されている。

多くの国で女性の出産年齢は上昇しており、ドイツでは第一子出産時の平均年齢は30歳を超えている。一方、ヒトの卵子の質は年齢とともに低下し、特に35歳以降は顕著に低下することが知られている。現在、不妊治療として広く行われている体外受精では、治療の70%以上が出産に至らないとされる。Ovo Labs社は、こうした加齢による卵子品質の低下という課題に対して新しい治療アプローチを提示することを目指している。

クラーマー(Cramer)MPG会長は、Ovo Labs社の技術は女性の健康分野において重要な可能性を有すると評価し、同社が生殖医療分野の長年の課題に対する解決策を提示する可能性があると述べた。また、この技術は女性が自身の人生設計に応じて子どもを持つ時期をより自由に選択できるようにする可能性がある点でも重要であるとしている。

マックスプランク・スタートアップ賞は2022年に創設された賞で、MPGの研究成果を基盤とするスタートアップの中から、革新性と社会的意義を備えた企業を顕彰することを目的としている。

[DW編集局]