[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・宇宙省(MESRE)
元記事公開日:
2026/04/17
抄訳記事公開日:
2026/06/03

保健医療系学修の簡素化改革、初年度の成果は

La réforme de la première année : vers une simplification de l’accès aux études de santé

本文:

(2026年4月17日付、保健・家族・自立・障害者省および高等教育・研究・宇宙省(MESRE)の標記報告書の概要は、以下のとおり)

昨年10月に開始された全国協議を受け、保健・家族・自立・障害者省と高等教育・研究・宇宙省は4月17日、2027年新学期から適用される保健医療系学修への進学経路となる第1年次改革の方針を示した。2019年法の原則を踏襲しつつ、新制度ではPASS/ LAS制度に代えて全国で調和されたモデルが導入される。

▽新制度で進学可能な専攻分野は、医学(M)、助産学(M)、歯学(O)、薬学(P)および理学療法(K)(今回から全面的に統合)の5学科(MMOPK)である。1年次は、保健医療、専門分野(生物学、法学、人文科学、看護学等の関連科目)、分野横断(心理社会的能力、コミュニケーション、倫理、人文・社会科学)の3ブロックで構成され、欧州単位互換評価制度(ECTS)に基づく単位を取得する。

▽学士課程1年次終了時および2年次終了時の2回の出願が可能であり、保健医療ブロックおよび専門分野ブロックの単位取得を必須とし、学業成績全体にもとづいて選考される。各大学の体制に応じた口頭試問が推奨される。留年は1回まで認められる。

▽新たな進学経路を確保し、学生層の多様化を図るため、遅れて志望する人々を支援する学士号取得者向け編入経路の拡大、3年間の課程を修了した専門職を対象とするパラメディカル分野からの編入経路の強化、薬学分野のみを志望する学生を対象に、任意・限定的・試行的な枠組みで予約枠を設ける薬学課程への進学に関する試行を行う。

▽2027年度新学期から施行され、高等教育機関登録サイト(Parcoursup)では、主たる志望として「1年次改革」を選択し、専門分野を副志望として指定する。全国的な調和による地域間格差の解消を図り、教育改革に向けた国の専用財源による支援を行う。

▽「保健医療系学修共通第1年次(PACES)」は、MMOP各分野への入学者数を厳格に制限する定員制の下、単一かつ選抜性の高い入試であった。全国共通で分かりやすく、すべての大学で同一の基準が適用され、高い水準が保証され、高校生にとって一つの経路、一つの試験という明確な枠組みであった。しかし、恵まれた家庭出身の学生や私立の予備教育機関で準備した学生が成功しやすく、公平性が損なわれていた。合格者の大半は留年経験者で、その年の優秀なバカロア取得者が取り残され、何千人もの有能な学生が1~2年の失敗後、評価され得る代替経路を見いだせずにいた。大きく変化する保健医療制度が求める多様な能力の育成にも不向きであった。

▽2019年法によりPACESが廃止され、2020年新学期から保健医療特化アクセス課程(PASS)および保健医療アクセス付き学士課程(LAS)が導入された。PASSは、他分野の副専攻を伴う保健医療志向の学士課程で、LASは、生物学、スポーツ科学、法学、人文科学等の通常の学士課程に、医療系分野への志願を可能にする保健医療副専攻を組み合わせたものである。

その成果として、1年次における不要な留年が大幅に減少し、 LASを通じて学生の背景が多様化し、将来の医療専門職の人材層も広がった。また、定員制の撤廃により、地域のニーズへのより良い対応に道を開いた。

しかし大学間の運営のばらつきは依然として大きく、地域間の格差が生まれている。また制度は高校生やその家族らにとって分かりづらく、教育モデルもPACESに近すぎるため、圧力やストレスは容認しがたい水準にある。さらに留年が認められないことが一部の学生を外国の大学へ向かわせる一因となっているほか、口頭試問の実施にも大学間で大きな差があるなどの課題が残る。

[DW編集局]