[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2026/05/19
抄訳記事公開日:
2026/07/15

欧州委、肥料行動計画を発表 食料安全保障の確保と気候目標の達成へ

Commission presents plan to secure Europe's fertiliser supply and food security

本文:

(2026年5月19日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は2026年5月19日、肥料行動計画(Fertiliser Action Plan)を採択した。これは、肥料価格の高騰や供給不足に直面する農家を支援し、国内生産を強化し、欧州の輸入依存度を低減するための取り組みである。この計画は、高く掲げられた気候・環境目標の達成を追求しつつ、食糧安全保障の確保と欧州の戦略的自律性の強化に直接寄与するものである。

2022年に採択された肥料に関するコミュニケーションを踏まえ、本日発表された肥料行動計画は、手頃な価格と供給の安定性を支えることを目的とした即時の支援措置と、国内の肥料生産を強化し、供給のレジリエンスを向上させ、バイオ由来・低炭素・循環型肥料への移行を加速させるための長期的な取り組みを組み合わせたものである。

▽ 農家を支援し、肥料へのアクセスを改善
欧州委員会は、EUの農業政策に基づく既存の仕組みを通じて、肥料費の高騰に直面している欧州の農家に対し、的を絞った特別な支援を実施する。欧州委員会は、EU予算を動員して農業準備金を大幅に増額することを提案する。この財政措置は、次の生産サイクルに先立ち、農家に即時の資金繰りの改善をもたらすため、夏までに提示される予定であり、農業生産の維持に寄与する。

▽ 国内生産の強化、循環型経済の推進、および脱炭素化
欧州委員会は、国内の肥料産業支援、産業の空洞化防止、安定した供給確保、輸入への依存度低減の措置を講じる。循環性を高め、排出量を削減するため、欧州委員会は欧州産の代替品の利用を促進する。これには、有機肥料やバイオベースの肥料、従来の鉱物製品に代わる代替品の利用拡大が含まれる。その他の手法としては、藻類バイオマス、その他の土壌改良剤、微生物ソリューション、生物刺激剤(バイオスティミュラント)、および下水汚泥からの窒素・リンの回収などが挙げられる。

▽ 市場の透明性と備えの強化およびステークホルダー間の対話の促進
円滑に機能する肥料市場には、より高い透明性と、政策立案者とバリューチェーン全体の関係者との間の体系的な対話が必要である。したがって、欧州委員会は「EU肥料バリューチェーン・パートナーシップ」を立ち上げ、肥料生産者、農家、加盟国を一堂に集め、これらの課題を克服し、EU全域で手頃な価格による持続的な食料安全保障を確保するための共通の道筋を定める。このパートナーシップの下、今後数ヶ月以内にバリューチェーンのすべての関係者を交えた最初の政策対話が開催され、肥料の供給、生産、販売、使用における課題に対する解決策が検討される。その成果は、農家と業界の双方にとって実行可能な解決策を模索するための基礎となる。

さらに、欧州委員会は市場監視と早期警戒体制を強化し、EU域内の肥料に関する最新データを定期的に入手できるよう、適切な枠組みを提案する。そのため欧州委員会は、炭素国境調整メカニズム(CBAM)および排出量取引制度(ETS)に関連するコストが、農家が支払う肥料価格、ひいては食品価格にどのように転嫁されているかを評価する報告書の作成に取り組む。肥料市場観測所(Fertilisers Market Observatory)は、引き続き市場情報の中心的なプラットフォームとしての役割を果たす。また、市場の機能、価格、在庫に関するデータ収集の改善を通じて機能を強化する。

[DW編集局]