[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/02/22
抄訳記事公開日:
2015/04/02

中国科学技術大学、新型生命体「暗黒物質」を発見、重大な疾病と関連の可能性を示す

中科大发现新型生命“暗物质”或与重大疾病有关

本文:

2015年2月22日付の「中国科学報」ネット版は、「中国科学技術大学、新型生命体の『暗黒物質』を発見、重大な疾病と関連の可能性を示す」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

ノンコーディングRNA(リボ核酸-ribonucleic acid, RNA)は生命体における「暗黒物質」(ダークマター、dark matter)と呼ばれている。中国科学技術大学の単革教授の実験室はこのほど、新型タイプの環状ノンコーディングRNAを発見し、同タイプのノンコーディングRNAの機能及び機能メカニズムを解明した。この成果は、世界的に権威のある科学誌「ネイチャー·ストラクチュアル&モレキュラー·バイオロジー」(Nature Structural & Molecular Biology)に発表された。

ノンコーディングRNAはタンパク質をコードせず、細胞で調整制御の役割を演じるRNA分子を指す。宇宙空間には多くの目に見えざる「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」が存在すると同じように、小宇宙である生命体にも神秘的な「暗黒物質」-ノンコーディングRNAが存在している。

一連の重大な疾病の発生と進行は、ノンコーディングRNAの調整制御がうまくいかないことに起因することが、証明されつつある。

環状RNA分子に研究者の注目が集まることになったのはここ数年のことで、これまでの研究は主に線状RNAの研究であった。単教授の実験室で発見された新型環状ノンコーディングRNAは「エクソン-イントロン環状RNA」(exon-intron circular RNA)と命名された。関連の論文で、彼らはこの新型環状ノンコーディングRNAが線状の分子でなく、環状の分子となる原因について研究を行って、環状構造を構成する配列の両端に互いに補い合う重複の配列がいつも存在することを発見した。

[JST北京事務所]