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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2015/02/26
- 抄訳記事公開日:
- 2015/04/03
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中国の基礎科学研究の現状と課題
- 本文:
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2015年2月26日付の「中国科学報」ネット版は、中国の基礎科学研究の現状と課題に関する、NSFC主任楊衛氏へのインタビュー記事を公表した。本記事ではその概要を述べる。
国家自然科学基金委員会(NSFC)は中国の基礎研究の主なファンディング機関である。NSFC主任楊衛氏は記者の取材対し、「中国経済成長率の低下に伴う基礎研究の現状、見通し及び未来の役割」をテーマに以下のように述べた。
<現状>
基礎研究の現状を表す以下のようなデータがある。「2004年~2014年、中国の高被引用論文数は12279本で、世界の10.4%を占め、アメリカ、イギリス、ドイツに次いで世界第4位になっている。2014年、16分野の論文の被引用回数は世界トップ10入り、そのうち、化学、コンピュータサイエンス、エンジニアリング、材料科学、数学の5つの分野の被引用数は世界第2位にランクされ、農業科学と物理学は世界第3位になっている。その他、基礎研究の投入から見ると、2013年、555億元に達し、2006年からの年増長率は20%になる」とのこと。<課題>
中国の基礎科学研究はハイスピードで発展してきたが、いろいろな難題に直面している。トムソン·ロイターの統計によれば、論文の投稿者数が延べ50万人余りで、トップ人材が不足している。<基礎研究の位置づけ>
イノベーション駆動型の発展戦略を実行し、新常態(ニューノーマル)となるために、基礎研究には科学技術発展のエンジンの効果が期待されている。<基礎研究の目標>
中国の基礎研究には、中期的(5年以内)に、主に3つの目標が設定されている。一、ボリュームアップ:研究資金の投入を増加し、人材層を拡大し、科学創出を強化して、世界の先頭に立つ。
二、ブレークスルー:特定の分野において、中国人研究者がその分野に重大な貢献をし、世界中にインパクトを与える。
三、オリジナリティ:オリジナリティのある重大な研究成果を創出し、科学技術の最前線に踏みだし、科学技術超大国を目指す。
[JST北京事務所]