[本文]
-
- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
- 元記事公開日:
- 2015/02/26
- 抄訳記事公開日:
- 2015/03/25
-
欧州における訪花昆虫の減少を阻止
- 本文:
-
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2015年2月26日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===食糧安全保障の確保には花粉媒介が不可欠であり、欧州の穀物の84%が部分的に昆虫媒介による受粉を受けており、温帯に自生する野草の78%が生物による受粉を必要としている。欧州で生産される食糧農産物の総経済価値の最大10%(2005年は220億ユーロ、EUに関しては142億ユーロ相当)は、昆虫による受粉に依存していると見積もられている。
しかし、様々な環境的ストレスにより何種かの花粉媒介者が減少しており、それら生物が担う受粉行為が危ぶまれている。
EUがFP7(第7次研究クレームワーク計画)に基づき資金供与するプロジェクト、STEP(Status and Trends of European Pollinator)はこの問題に取り組んでおり、欧州の花粉媒介者の現状とその動向の背後にある要因に関する知見に大きく貢献し、生物がもたらす恩恵を守るべく自然に根差した解決策を模索する。
5年間の研究プログラムが終了した時点で、STEPは「欧州のマルハナバチの気候的リスクおよび分布地図」を発表する。オープンアクセス・ジャーナル『BioRisk』の特別号として出版されるこの地図は、欧州のマルハナバチに対して気候変動がもたらすリスク評価において新境地を開くものとなるだろう。
[JSTパリ事務所]