[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2015/04/23
抄訳記事公開日:
2015/06/09

米国科学振興協会(AAAS)の米下院宛て書簡はAmerica COMPETES 法案について懸念を表明

AAAS Letter to Congress Expresses Concerns About America COMPETES Bill

本文:

米国科学振興協会(AAAS)による4月23日付の発表記事の概要は以下のとおりである。

AAASが米下院科学宇宙技術委員会(House Committee on Science, Space and Technology)に送付した書簡によると、米下院のAmerica COMPETES 再承認Reauthorization 法案(H.R. 1806)は国家の科学技術事業から重要な支援を停止する。

2013年4月、AAASと複数のその他団体は、主要な連邦研究省庁の持続的な実質成長を提唱するAmerica COMPETES法再承認の指針を承認した。しかしながら、AAAS理事会会長のジェラルド・フィンク(Gerald Fink)氏の4月21日付書簡によると法案H.R. 1806の主要な側面はこれらの指針を遵守していない。

2013年に失効したCOMPETES 法は、国立科学財団(NSF)、米国標準技術局(NIST)及び米国エネルギー省(DOE)科学局(Office of Science)への予算配分を承認するものである。H.R. 1806法案は下院で4月22日に審議され、上院は独自の案をまだ作成していない。法案の将来は不明だが、Science誌の内部報道によると、法案審議の進行にはテキサス州選出の共和党議員である下院科学委員会のリーダー、ラマー・スミス(Lamar Smith)氏が重要な役割を果たすと見られている。書簡では科学界の重鎮の何人かは、予算配分の水準のみならず種々学問領域の予算配分方式の変更について、スミス氏の法案に対して支持を留保していると伝えられる。

AAASの書簡では、フィンク氏はARPA-E、EERE、及びBERなどのDOE所管プログラムを初めとして、NSFの社会科学、行動科学ならびに経済科学の各局及び地球科学などに大幅な予算減にいくつかの懸念を表明している。更にAAASはNSFの個別の局に直接承認を与える決定について、特定の部局を他の部局の上位に位置付ける結果となる点を疑問視している。書簡は、NSFが大型の新研究施設を建設する事を抑制する条項の下院委員会による再考を促す。更に、第661条の制約が、DOEが支援する研究を根拠に基いた連邦政府の政策立案に使用する事から除外されかねないとの議論を展開している。2013年の指針に言及しながら、フィンク氏は書簡で、21世紀の国際社会において、アメリカが競争、繁栄、安全確保を成功裏におさめるためには国家の科学技術事業で生産性を上げるコミットメントを維持する事がとても重要であると結んでいる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]