[本文]
-
- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2015/06/04
- 抄訳記事公開日:
- 2015/06/26
-
インダストリー 4.0におけるITセキュリティ
- 本文:
-
連邦教育研究省(BMBF)は産業界と共同でインダストリー 4.0におけるドイツのITセキュリティに関するレフェレンス・プロジェクトをスタートさせる。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。
BMBFの新しいレフェレンス・プロジェクトの目標は、ネットワーク化された生産をサイバー攻撃及びスパイから効果的に守ることにある。ドイツ企業14社と大学及び研究機関の7機関とで協力して、如何にしてハッカーの攻撃ポイントを最小化できるのかを具体的な例を通して示すことになる。例えば、どのようにしてシステムキッチン等のカスタマイズされた家具の生産を発注から納入に至るまでサイバー攻撃から保護するかを研究する。
ヴァンカ連邦教育研究大臣は「ITセキュリティはインダストリー 4.0の基本的な前提条件である。安全なコミュニケーションによってのみ新しい、ネットワーク化された製造プロセスに対する信頼が確立されるからである。インダストリー 4.0がどのように中小企業のためにも役立つかを示す信頼に足るソリューションが必要である」と語った。
リファレンス・プロジェクトの調整役はホーマック木工機械システム社(Homag Holzbearbeitungssysteme GmbH)が担当する。これに関してホーマックグループ株式会社のCEOであるホイヴィングは「ITセキュリティは産業にとって極めて重要なものである。力を合わせ幅広く利用可能な、バリューチェーン全体にそって利用できるような解決策を展開していきたい」と語った。
ドイツ機械工業連盟(VDMA)はこのプロジェクトを、生産技術分野及びドイツの工場において、インダストリー 4.0を実現するために最も重要なアスペクトの一つとなると捉えている。
ドイツは世界的にトップの産業拠点であり、生産のネットワーク化は将来のデジタル化にとって重要なチャンスである。スマート工場の実現のためには機械をインターネットとつなぐことが必要である。これによってサイバー攻撃によるITシステムへの脅威の増大が自動的に工業設備にも波及していく。ドイツでは過去2年間にほぼ1/3の企業が情報通信システムへのサイバー攻撃を経験している。産業スパイの年間損害額については、あるドイツの受託企業の調査によると118億ユーロにも及ぶ。
プロジェクトを通じて開発されたITセキュリティソリューションは、競争を妨げないように、また中小企業のために低コストの解決策を生み出すという目的から、標準化されるべきものである。
BMBFはこのレフェレンス・プロジェクトを約2,000万ユーロで助成する。これは新しい研究プログラム「デジタル世界における安全及び自己決定」の一部である。 [DW編集局]