[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2015/06/17
抄訳記事公開日:
2015/08/14

DARPA “Make-It” プログラム:自動合成装置の開発・迅速化

Speeding Up Synthetic Chemistry

本文:

2015年6月17日付の国防高等研究計画局(DARPA)による化学合成の自動化と迅速化に関する発表記事の概要は以下の通りである。

DARPAのメイクイット(“Make-It”) プログラムは単純な原料をユーザーが求める既知又は新規の分子に転換する自動合成装置の開発を狙う。目標は広範で複雑な低分子化合物を実生産規模で製造、精製、同定し、且つ年単位では無く週単位で製造可能な全自動化学合成装置の開発である。

自動合成装置は既に天然バイオポリマーなどのディスクリートシステムで市販されているが、既存技術は全ての分子に横断的に適用できず、実生産規模へのスケールアップも難しい。開発がもたらす成果として以下が期待されている。
・ 合成化学の利用が化学者以外にも広がり、化学以外の分野の研究者等がこれを新しい用途に活用することができる。
・ 再現性に革命をもたらす。現在反応条件や器具・装置は実験室のロケーション毎に異なるので合成化学の知識移転には困難が伴うがメイクイット装置の活用で新しい分子の合成経路等は簡単な文書のやり取りで他者も再現できる様になる。
・ 原材料や溶剤などのプロセスの仕込量や温度・圧力の反応条件を制御し易くする事で、より安全で環境に優しい合成が可能となる。
・ 新物質の発見と製造の加速により国家安全保障に重要ないくつかの領域での進歩を加速する。
メークイットプログラムは、数学、コンピュータ化学、化学工学、分析化学、プロセス工学、工程管理、有機合成化学、製剤設計、製造の各分野の専門知識を求めている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]