欧州委員会は、8月2８日付の標記記事を公表した。以下にその概要を紹介する。
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欧州委員会は、革新的なアイデアをより迅速に市場に届けるために3,600万ユーロの投資を行う。19の国にまたがる16の革新的なプロジェクトは、1プロジェクトあたり最大300万ユーロを、欧州の研究・イノベーションの枠組みプログラムであるHorizon 2020のもとで行われるファーストトラックイノベーション（FTI）のスキームにおいて初めて資金配分を受ける。

資金配分を受けるプロジェクトは、風力発電システム、病気を運ぶ蚊からの人々の防衛、木材からの持続可能で再生可能でより安価なプラスティックの製造、インテリジェントな麻酔針誘導システムの開発、などを含む。

このFTIスキームは2015年1月に立ち上げられた。このスキームは当初から人気があり、4月29日の応募締め切りまでに269の応募があった。応募したコンソーシアムへの参加者の82％が民間企業であり、そのうちの約半数が中小企業であった。独立した専門家が、16のプロポーザルを資金配分の対象として選んだ。ドイツがそのうちの13プロジェクトに参加するとともに、フランス・オランダ・英国が、それぞれ９プロジェクトずつで追随している。

背景
FTIスキームは、市場に近いステージにおいて、イノベーション活動を促進する完全にボトムアップな取り組みである。それは、既にテストされてきた革新的なコンセプトを成熟させることを支援する。支援される活動は、実環境下でのシステムの検証、試験、ビジネスモデルおよび標準設定の検証などを含む。

このスキームは、Horizon 2020のパイロットイニシアチブとして、2015−2016年の間に推進される。その予算額は2億ユーロであり、Horizon 2020の柱である社会的課題および産業リーダーシップ中の実現・産業技術におけるリーダーシップの枠において推進される。テーマがオープンであることに加え様々な形態の組織に対してもオープンであることから、このスキームは学問領域横断的かつ産業領域横断的な連携が推進され、イノベーションを通じての成長が促されることが期待される。

このスキームは継続的なオープンコールの形態をとる。すなわち、プロポーザルは随時受けつけられる。次の締め日は2015年の9月1日と12月1日である。2016年以降のこのスキームの継続の有無は、スキームの詳細な評価の結果による。

[DW編集局]