[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2015/09/22
抄訳記事公開日:
2015/12/02

医学研究を支持する決起集会:議会に「研究はもう待てない」と警告

Rally for Medical Research Warns Congress That ‘Research Can’t Wait’

本文:

2015年9月22日付の米国科学振興協会(AAAS)による医学研究を支持する決起集会に関する発表記事の概要は以下の通りである。

患者、科学者並びに医者は医学研究のための決起集会に備えて、ワシントンD.C.に居る地元選出の代議員に訴えを行った。この集会は連邦議員に対して生物医学研究と国立衛生研究所(NIH)への投資を呼びかけるもので、NIHでは10年間に渡り予算の成長が停滞している。本呼びかけにはAAASを含む300を超える組織が集会に参加した。

背景として、NIHのR&Dに対する資金提供はピーク時の2003会計年度の379億ドルから2015会計年度の295億ドルまで22%以上低下した(生物医学領域の高いインフレ率を調整済みの場合)との事実がある。NIHによると、この資金提供の内の約80%は、毎年30万人以上の研究者に助成金の形で交付される。研究助成金を受けられない優れたアイデアや、将来が不安な次世代の科学者の存在を考える必要がある。研究者、患者、介護・看護師その他の生物医学研究に関心を抱く人々が議会を訪れ「NIHを支援すべし」と、統一したメッセージを送った。

NIHは医学研究における世界最大の資金提供者である。NIHの助成金に依存する一部の科学者の中には、資金提供のプレッシャーによりキャリアプランが押し潰されてしまった者も存在する。2013年の調査によると科学者およびエンジニアの内5人に1人は自身の研究を海外で継続することを検討している。多くの研究者は歳出削減措置、政府機関の閉鎖並びに資金提供の停滞による混乱を経験している。

幾つかの疾患の治療法の探索は、がん、インフルエンザ、エボラ、エイズを含めてNIHからの助成金で成り立つ研究に依存しているとNIHコリンズ長官は指摘する。多くの患者は緊縮予算による研究が治療薬を開発するまで待てないので、参加者は米国が引き続き生物医学における指導的地位に留まれるよう、議会に予算上限を撤廃する様に訴えた。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]