[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2013/05/15
抄訳記事公開日:
2013/08/01

NSTC年次報告書:NITRDプログラム

Networking & Information Technology R&D Program: Supplement to the President's Budget, FY 2014

本文:

国家科学技術会議(NSTC)は5月、省庁横断プログラムの一つである「ネットワーキング情報技術研究開発(NITRD)」について、2014年度大統領予算要求を補足説明する報告書を発表した。報告書は、プログラムと予算の観点からNITRD参加省庁の2013年度の活動と2014年度の計画についてとりまとめると共に、プログラム・コンポーネント・エリア(PCA)毎に、2012年度の投資実績と2014年度の投資計画を報告している。以下は報告書の概要である。

NITRDプログラムには次の3つを目的としている。
・ネットワーキング、システム開発、ソフトウェアやそれらに関連する情報技術の分野において、米国がリーダーシップを発揮できるような研究開発の基盤の提供
・連邦政府の要求するネットワーキング、システム開発、ソフトウェアやそれらに関連する情報技術の分野の研究
・以下の諸目的を達成するための技術開発と実装の加速化(科学・工学分野におけるリーダーシップの発揮;国際安全保障・国土安全保障の強化;生産性・競争力の向上と長期的経済成長の促進;アメリカ市民の健康増進;環境保護;教育・職業訓練・生涯学習の改善;市民生活の質の向上)

この一年で、エネルギー省配電・電力信頼性部(DOE/OE)と国家偵察局(NRO)が新メンバーとしてNITRDに加わった。またサイバー・フィジカル・システム上級運営グループ(Cyber Physical Systems Senior Steering Group; CPS SSG)がを立ち上げられ、新しいプログラムを開始することになった。

昨年NSTCは「2012年NITRDプログラム戦略計画」を発表し、21世紀のデジタル社会における5か年計画を提示した。戦略計画では、大きく3つの土台が示された。
・WeCompute:より使いやすい、入手しやすいデジタルツールの開発を進め、人とコンピューターの新しいパートナーシップを拡大する
・Trust and Confidence:様々なレベルの安全性、信頼性、予測性などを向上し、信頼できるシステムのデザイン及び構築
・Cyber Capable:次世代のサイバーイノベーターを生み出すために必要な教育と訓練の提供

2012年NITRD戦略計画は大統領科学技術諮問会議(PCAST)が2007年8月に行ったプログラム評価に対応したものである。PCASTは、2013年1月に発表した「デジタル未来の構築(Designing a Digital Future)」という報告書でNITRDの最新評価を行っているが、評価に対する直接なレビューとPCAST提案に対する回答については別途作成中である。

行政管理予算局(OMB)と科学技術政策局(OSTP)が出した2014年度科学技術予算の優先順位に対する指針をみると、情報技術への多省庁による優先投資や、ビッグデータとサイバーセキュリティ研究開発が取り上げられており、IT 研究開発の重要性が強調されている。本報告書におけるNITRDのメンバー省庁による予算要求は、OMB・OSTP指針とよく合致する形となっている。

[DW編集局]