[本文]
-
- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
- 元記事公開日:
- 2013/06/04
- 抄訳記事公開日:
- 2013/06/28
-
レーザーと高エネルギー物理学が一つに
- 本文:
-
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2013年6月4日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===専門家による国際チームが、革新的な粒子加速器技術でのファイバーレーザーの利用に関する研究を通じて、画期的なレーザーシステムを開発している。そのうちの一例が大型ハドロン衝突型加速器(LHC)であり、科学者らはこれをエンジニアリングにおける人類の偉大なマイルストーンと考えている。
EUから50万ユーロの資金援助を受けているICAN(国際コヒーレント増幅ネットワーク(International Coherent Amplification Network))プロジェクトは、高エネルギー粒子加速に関する新しいレーザー概念を提供するものである。ICANのチームは、光科学、光技術や光学工業、天文学、製造などの専門家で構成されている。
このプロジェクトは、超高速レーザーの分野でパイオニアとされるエコール・ポリテクニークのGérard Mourou教授が主導している。同教授は「ICANはレーザーと高エネルギー物理学を一つにした画期的なプロジェクトである。また、ICANは大胆で意欲的なプロジェクトであり、EUが最も重視している変革の精神を示す好例だと思う」と語っている。
レーザーは、非常に短時間(フェムト秒単位)で、世界の全発電所の出力の1,000倍相当のエネルギーを奔出することができる。このようなエネルギー源を社会に応用する場合の有意な例としては、原子炉の廃棄物(現在の半減期は何十万年)を半減期が大幅に短い(何十年)物質に変えることが挙げられる。こうした技術の応用により、放射性廃棄物管理の問題に劇的な変化がもたらされることになるだろう。
[JSTパリ事務所]