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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2013/07/17
- 抄訳記事公開日:
- 2013/08/21
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連邦閣議で新たなバイオエコノミー戦略を決定
- 本文:
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ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は、連邦閣議において、バイオを基盤とした経済を強化し化石燃料への依存を軽減するための戦略が決定した、と報道発表を行った。以下はその概略。
アイクナー連邦農林大臣はベルリンにおいて「バイオエコノミー戦略」を紹介するに当たり「我々は石油から脱却し、自然が我々に与えてくれるものをより利用することを学ばなければならない。バイオエコノミーは、ドイツが現在既にトップの位置づけで活動する成長市場である。我々はこの位置づけを更に拡大させ、新たな発明を行い、雇用を創出し、同時に環境保護を前進させることができる。多くの企業は、例えばミルクの成分から衣料を製造する等、既に良いアイデアを実行に移している。現在バイオベースの防弾チョッキも開発されている。バイオエコノミーは自然の資源サイクルを指向しており、植物、動物、微生物等を包括するものである」と語った。この分野では先端技術により、石油がなくとも製品を製造するといったことだけでなく、多くの場合、より優れた製品特性を有する多様な製品を製造することが可能である。
BMBFのヴァンカ大臣は「“国の研究戦略バイオエコノミー2030”及び未来プロジェクト“石油代替植物”によって我々は研究においてバイオエコノミーの基盤を築くことになる。新しい自然科学は大きな新しい成長ポテンシャルを開発するものである。それは農業科学及び社会経済学と結びつくことによって持続的経済の基盤となる」と強調。BMBFはバイオエコノミー評議会の勧告により、バイオエコノミー戦略措置として農地の持続的利用に関する助成イニシアティブをスタートさせる。助成イニシアティブ「BonaRes-バイオエコノミーのための持続的資源としての土壌」に関しては、2014年1月31日までにプロジェクト提案書を提出することができる。
今日、益々多くの企業が製品の生産にあたり多種の、持続的に生産された植物資源の原料ミックスを利用し、産業界の支援によって既に数多くの新製品を開発している。例えば植物を原料とする飲料水ボトルを、ひまし油からプラグ用の樹脂を、また自動車メーカではひまし油から自動車のボンネットを製造している。連邦政府の戦略は、持続的かつ国際競争力を有するバイオエコノミーにとって重要なあらゆる分野をカバーしており、産業・エネルギー政策、農業政策、気候・環境政策、研究開発政策もこれに関連している。成長市場の開発及び革新的技術や製品の支援等も同じく戦略の一部であり、新たな付加価値連鎖や国際的持続性標準の開発も同様である。
食糧品と石油代替植物の生産という利用競合の問題について、これを先鋭化させないこともバイオエコノミー戦略が寄与するところである。アイクナー連邦農林大臣は「化石原料から脱却し、より多くの植物資源へ方向付けするという構造変革を、世界人口増加に対する食糧確保、気候保護、種の多様性維持とうまく調和させることが何よりも大切である。食糧や食品の製造は常に優先されなければならない。これは基本原則である」と強調。
ドイツ連邦政府の「バイオエコノミー戦略」に関する情報(ドイツ語):www.bmelv.de/biooekonomie
「BonaRes-バイオエコノミーのための持続的資源としての土壌」に関する情報(ドイツ語):http://www.bmbf.de/de/22481.php
[DW編集局]