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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2016/01/30
- 抄訳記事公開日:
- 2016/04/28
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「全てのヒトにCSを」イニシアチブの新たな助成プログラム
- 本文:
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2016年1月30日付の国立科学財団(NSF)による「全てのヒトにコンピューターサイエンス(CS)を」(CS for All)イニシアチブに関する発表記事の概要は以下の通りである。
今やCSは新たな基本的技能になりつつあり、コンピュータ化やデータ集約が益々進む世界で勝ち抜くためには必要不可欠である。しかしながら、12年生(高3に相当)のCSへのアクセス機会は限定的なままである。米国の高等学校でCSの授業があるのは25%未満にとどまっており、農村や低所得世帯の学生の比率が高い学校ではこの比率は更に低くなる。また、CSを提供している学校においても有色人種や女性の参加者は非常に少ない。しかし、州・市・地域レベルでのCS教育に対する興味が高まるに連れて、状況は変わりつつある。
オバマ大統領は2016年一般教書演説で全米の学校においてCSを拡大展開する目標を掲げ、その進展に基づき今後の数年間で全学生に実践的なCSと数学の教育を提供し、就職した初日から実戦力となるようにすると述べた。大統領府は新たなイニシアチブであるCS for Allを発表し、NSFと教育省が連邦省庁の牽引役としてそれに当たる。
CS for Allの一環として、下記の取り組みがある。
■ NSFは全米の学校において厳格で魅力的なCS教育を行える様にする取り組みを加速するために5年間に亘って総額1億2,000万ドルを投資する。これらの資金は、教材の見本、評価方法、拡張性が有り持続可能な職能開発モデル、及び教員資源の開発や、その効果の検証のために投入される。この取り組みにより、今後5年間に亘り最大で9,000名の追加のCS高校教員が確保できる見込みである。
■ NSFと教育省は、CSを教えることができる職業・技術教育(CTE)用教育者のプロトタイプを開発する取り組みに共同出資する。
■ NSFと国防総省は国家数学・科学イニシアチブ(NMSI)と共同で、全国の200の国防総省関連NMSIサイトでの新たな教員・学生支援介入により新Advanced Placement CS Principles フレームワークの実行を支援する。
■ NSFは民間セクターと共同で高校CS教員の職能開発を支援する。NSFは1億2000万ドルに上るCS for All に対する投資の一部である500万ドルを、全米の学校における拡張性があり持続可能な職能開発を目指す新しいアプローチの試験的導入の為に拠出する。同時に、産業界のパートナーからの資金提供により教員がこれらの社会実験に参画出来る様にする。究極的には最大2000名の教員にCSの理解を深める機会を提供する事になる。既に幾つかの民間団体はCS教育に対するNSFの投資を活用して米国本土全州の2000人以上の教員や高校に手を差し伸べている。 [DW編集局+JSTワシントン事務所]