[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米工学アカデミー(NAE)
元記事公開日:
2013/07/01
抄訳記事公開日:
2013/09/01

米国工学アカデミー会長にモート氏就任

Mote Begins First Term as NAE President

本文:

 米国工学アカデミー(NAE)は7月1日より、チャールズ・M・ベスト(Charles M. Vest)会長の後任として、メリーランド大学(UMD)元学長のダン・モート氏(C. D. (Dan) Mote)が会長に就任したと発表した。NAEの本部はワシントンD.C.にあり、フルタイムの役職である会長は、全米研究会議(NRC)の副議長も兼任する。任期は6年間。
 モート氏は1998年から2010年までの間、UMD学長及び同大学グレン・L・マーティン研究所(Glenn L. Martin Institute)の工学教授を務めた。同氏は学長在任中、研究助成費を 150%以上増額させ、企業及び連邦研究機関との連携を拡大させた。また、メリーランド州と中国企業とのジョイント・ベンチャーを推進する「メリーランド大学-中国リサーチパーク」設立に向けての交渉に貢献。学歴社会の格差解消のため、マイノリティーの大学卒業率を全米4位までに向上させ、連邦議会での証言も経験しており、教育問題から輸出規制問題まで、幅広い分野における発言がメディアに取り上げられている。
 研究分野はジャイロダイナミクスで、雪上スキーの生体力学に関する国際的認知が高い。300本以上の著書・共著があり、アメリカ、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンなどで特許を持っており、これまで博士課程学生58人の指導教官を務めた。
 モート氏は1988年に「複雑系ダイナミックシステムの分析、及びそこから派生する振動及び生体力学の実際的重要性を示す結果」を示したことでNAEへの推薦を受け、財務担当や研究会議の運営委員実行委員会の委員を経験している。NRCではグローバル科学および技術戦略会議の議長や産学官共同研究の共同議長、国防総省のSTEM労働力ニーズに関する委員会委員などを歴任した。
 モート氏はカリフォルニア大学バークレー校で博士号(機械工学)習得後、31年間に渡って同学部長、UCバークレー財団会長、副学長などを務めた。

[DW編集局]