2013年8月24日付の「中国科学院」ウェブサイトは、中国科学院（CAS）が学術委員会を設立したことを伝えた。本記事ではその概要をまとめる。

8月23日に行われた学術委員会の設立式典に出席した白春礼CAS院長によれば、当該学術委員会は、今年上半期にCAS本部で実施された研究管理行政改革に併せて設立された4つの専門委員会のうちの１つである。（他に教育委員会、シンクタンク建設委員会、発展コンサルティング委員会（発展戦略の企画・調整がミッション）がある。）

学術委員会は、CASで推進されている「一三五」計画、戦略的先導プログラム、重点分野への集結、科学目標の絞り込み、重大科学成果創出促進等に対し、CAS本部内の諸部署や所管下の研究所の枠を超えてCAS全体の科学技術発展とイノベーション創出等を戦略的でマクロに把握し、戦略的研究を行う必要があるという背景に基づいて設立されたものである。

また、学術委員会の今後のミッションについて、白院長は、①科学技術発展に関する戦略的研究を本格的に実施し、新しい学科領域や成長点を見出し、CASの学術振興等へ積極的に提言する、②学術の独立性を堅持することを前提に、CASからの学術コンサルティングや評価等の委託業務を実施する、③学術委員会自体の組織と制度の整備や、コンサルティングと評価能力の向上を図り、CAS全体の科学技術イノベーション創出及び事業の発展に貢献する、と期待を示した。

なお学術委員会の主任（＝委員長）には、中国科学院院士の秦大河（地理学）が就任している。

[JST北京事務所]