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- 国・地域名:
- オランダ
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- オランダ応用科学研究機構(TNO)
- 元記事公開日:
- 2016/05/30
- 抄訳記事公開日:
- 2016/08/05
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TNOおよびTU/Eが、欧州でもトップレベルの3Dプリントセンターを共同設立
- 本文:
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オランダ応用科学研究機構(TNO)の2016年5月30日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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オランダ応用科学研究機構(TNO)およびアイントホーフェン工科大学(Eindhoven University of Technology:TU/e)が、「付加製造(additive manufacturing)」の分野で協力する。付加製造とは、3Dプリンタのように、層を重ねて製品を製造する方法のことをいう。TNOおよびTU/eのハイテクシステムセンターが始動する知識センターは、欧州レベルでの研究開発を先導するセンターとなることを意図している。付加製造のための他の知識センターとは対照的に、今回新設されるセンターでは、主にスマートでカスタマイズされた多機能製品のための生産機器に重点が置かれる。計画の一部として、TU/eでは新たに教授1名が雇用され、研究グループも編成される。TNOおよびTU/eは2016年5月、この新しい知識センターの設立に関する協定書に署名した。センターはTU/eのキャンパス内に設けられ、この分野において同大およびTNOが蓄積してきた専門知識をもとに活動していく。
新しい知識センターは、オランダの産業競争力を強化し、成長を推進することを目標の一つとしている。センターは、系列会社や新設されるスピンオフ会社を通じて最終的に市場に提供できるようなイノベーション創出を目指して、基礎研究および応用研究を行う。また新興の3Dプリント産業に必要な専門家や研究者のトレーニングも実施する。
この計画では新たに教授が1人雇用され、研究グループ「Systems Mechatronics for Advanced Manufacturing(先進製造システムズ・メカトロニクス)」が編成される。また、4年間で25人の博士課程の学生が研究を行い、50人を超える常勤の専門家がセンターの活動に参加するものと見込まれている。センターは、産業界との積極的な研究開発協力を行う予定でおり、いずれは数十社の産業パートナーに研究プログラムに参加してもらうことを目指している。
新しいセンターの研究者は、一般に複数種類の材料から作られるスマートプロダクトを生産するためのハイテク機器の開発に力を注ぐことになる。TNOもTU/eも、付加製造に関しては長年にわたる経験を有しており、研究プログラムにおいて次世代型の統合的な生産システムの実現に向けて前進していく意向である。研究成果は、スマート産業フィールドラボ(Smart Industry Fieldlab)「MultiM3D」で実際にテストされる予定である。
[JSTパリ事務所]