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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防高等研究計画局(DARPA)
- 元記事公開日:
- 2016/07/19
- 抄訳記事公開日:
- 2016/09/02
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回路基板のチップ群を単一のデバイスに組み込んでさらに小型化
Another Big Shrink: Tiling Chiplets into Next-Generation Microsystems
- 本文:
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2016年7月19日付の国防高等研究計画局(DARPA)の発表記事では、DARPAが最近開始した”CHIPS”(Common Heterogeneous Integration and Intellectual Property (IP) Reuse Strategies)プログラムについて解説している。概要は以下のとおりである。
電子機器のカバーを開けるとプリント回路基板(PCB)群がみられるが、それには処理装置、メモリ、データ・リレイ、グラフィックスその他のチップや部品が散りばめられており、それらの全てが精細にエンボス加工された配線で相互に接続されている。DARPAの最新のプログラムでは、PCB全体が掌る機能を集合的に一体化して単一のチップに限りなく近いサイズの一つのデバイス上に統合するという技術に挑戦する。部品チップの物理的コレクションつまりチップレットの設計に関するもので、これによりモジュール形式での組み立てが可能になる。
CHIPSプログラムを主として牽引するのは、チップ間の信号(つまりデータ)の移動に要する時間とエネルギーを10~100分の1に削減するという次世代マイクロシステムの設計・構築に必要な、工業化になじみやすい新規アーキテクチャー戦略の策定である。本プログラムでは応用分野を特定してはいないが、本プログラムの中核にある新規アーキテクチャー戦略は、リアルタイムのビデオ画像の物体とその動きの特定、リアルタイムの言語翻訳、高速で移動する無人航空機群の空中移動の調整などに必要となる計算効率の向上に新たな道を開く可能性がある。
DARPAでは、プログラムの初期段階で専門家や産業界の当事者からのアイデアを収集する目的で、情報提供要請(RFI)を行っている。そうすることでCHIPSチームは、既存の商用半導体工場や電子部品製造施設内において上記の新方式のスムーズな組み込みを促進するような方法で、プログラムの詳細を策定することができる。
CHIPS構想の重要な側面は、実用的にカスタマイズされたチップレット(データ蓄積、計算、信号処理、データの形式・フローの管理などの個々の特定機能が統合されている小型化されたチップ群)のコレクションを最終的に利用できるようにすることである。多数のチップレットをモザイク形式でいわゆるインターポーザ上に組み込むことで、このようなマイクロシステム機能のすべてがより密集した形で実行され、従来PCBの一連のチップで通常実行される場合より高い効率で実行できる。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]